国家発展改革委員会はアメリカのチップメーカーであるクアルコム社について行った独占禁止調査が一年を経ち、調査結果がすでにまとめられ、近日に公表される。「罰金や、特許査定料の低減のほかに、クアルコム社により進めた「リバース授権協議」の取消しも含まれている。」
「リバース授権協議」とは、クアルコム社がその自身の特許優位性を利用して、携帯電話メーカーに締結させた不平等契約のことであり、この契約に基づき、クアルコム社製のチップを利用する携帯電話各社は、自社所有している特許をクアルコム社へ許可するとともに、その特許をもってクアルコム社のクライアントについて一切特許料を徴収することができなくなるとされた。この協議の取消に伴い、国内における携帯電話メーカーは特許を武器として競争に立ち向かう可能性が大きくなるとみられる。
「ただし、たとえ発展改革委員会によるクアルコム社の処罰によりリバース権利付与行為を取り消して、国内メーカーの特許戦争にバリアを取り除いたとしても、特許戦争が直ちに到来するとは限らない。」携帯電話連盟の中国秘書長である王艶輝氏は、特許を持つメーカーがその他のメーカーに対して提訴することができることを意味し、国内における知的財産権侵害の処分がまだ弱いため、提訴は脅威的な手段のようなものに過ぎないとした。
去年の12月13日に、発展改革委員会はクアルコム社による独占行為について立案して調査を行い、今年の7月に、クアルコム社の調査には「電話機全体としてライセンス料の基礎とする」などの7項目の内容を含むことが明らかになった。調査が徐々に進行するにつれ、クアルコム社は一部問題について改善するとの承諾を示すとともに、当社についての独占調査を中止するよう発展改革委員会に求めていた。
数月前に、発展改革委員会より、「クアルコム社の独占事件」がすでに最終的な処罰段階に入ったとの話が披露された。業界では、罰金が10億米ドルを超える新記録という見込みがあり、クアルコム社はその特許ライセンスの方法を大幅に調整すると見られる。
2014会計年度第四期の財政報告書によれば、クアルコム社の当期収益が66.9億米ドルとなり、前期と比べて2%減、営業利益が4%、純利益が15%、株価収益が15%とそれぞれ前期より下回っていることが分かった。クアルコム社は第四期でひどく挫けたのは、独占調査が主因であり、中国国内のほかに、アメリカ連邦貿易委員会やEU委員会などもクアルコム社のライセンス及びチップ業務について調査し始めたという。
関係者により、罰金や、特許査定料の低減のほかに、クアルコム社により主張する「リバース授権協議」の取消も含まれているとされた。「リバース授権」とは、特許を持つメーカーがクアルコム社の特許を購入する場合、自社の持つ特許をクアルコム社にライセンスしなければならず、このようにして、クアルコム社の特許を購入するその他のマーカーが他人の特許を無償利用することになる。
この協議は、他のメーカーの特許を利用した携帯電話メーカーでも、クアルコム社のチップを仕入れすれば、特許料問題を気にしなくていいことを意味する。実際に、特許に弱い携帯電話メーカーにとって一種の「保護傘」ともなり、このようなメーカーは製品開発過程中に、特許問題において回避しなくていいと考えるようになる。
このような規則は、小米やOPPOのような特許に乏しい新入りの携帯電話メーカーにとって有利なことになるのが明らかである。データとしては、2014年11月まで、華為社が取得した特許登録査定数は3万件近くなっている。2013年末までには、中興通信は世界で52万件超えの特許数をもち、特許査定数が累計で1.6万件超えている。これについては、特許査定を受けた数として小米社は10、OPPO社は103しかなかった。
しかし、その協議の取消により、携帯電話メーカーの所有する特許の価値は将来においてますます重んじるようになり、いつ特許戦争になってもおかしくない。
国内の携帯電話市場での製品同質化傾向が避けられない現状では、メーカーは新たに営業販売のポイントを掴む必要があり、特許が正にそのような利器といえる。
中興通信は、中国で特許を最も多く積み重ねたメーカーの一つとして、末端産業の健全的発展に有利な知的財産権の保護活動を尊重する意向を示した。ただし、正式な書面にて特許訴訟を起こすか否かについては、公に意見を表していない。中興社に関係する記者は、知的財産権を所有する会社は特許配当を享有するのが当然なことであり、特許に乏しい会社はその短所のために対価を払わなければならず、もちろん、特許優位を占める者は油断できず、これからは競争の時代になるからである。
「華為社は特許交換を採用するが、中国メーカーは特許を持たずにヨーロッパに進出しても無駄、特許がなければ欧米市場への進出を考えなくてよく、進出しても即死になり、今まで稼いだお金は全て返すことに決まっている」と、 華為社の端末担当者である余承東氏はこのように記者に語っており、ヨーロッパ市場では特許への注目度が非常に高く、規模になっていない段階で注目されないが、規模になると、特許に係る費用はすぐ高くなるという。
その他の携帯電話メーカーに対して特許事務レターを発送するか否かについては、酷派副総裁の曹井昇氏の話によれば、携帯電話業界が発展を遂げるために、国内のメーカー間で協力が必要とされ、「今年は国内企業が海外進出を実現する年で、来年は突破を遂げる年になるだろう。来年はより早く発展していくと信じており、国内企業としてそれぞれの成長に専念し、一緒に海外市場を取得している。国内での闘争なんかさほど意味が大きくないのではないか。」
携帯電話連盟の中国秘書長である王艶輝氏は、国産の携帯電話メーカーは国内で互いに無事になるのも、クアルコム社の保護傘による効果である。しかし、今年からは、中国での特許訴訟に係る客観的条件がすでに整るようになってき、政府の指導層は多くの場面で知的財産権や特許の大切さを強調してきた。
「クアルコム社事件終了後に、特許問題は短期において大きな影響を与えることができないが、長期的には、グローバル市場へ進出しようとする国内ブランドにとって、特許が避けられない難関であり、特許が足りなければ購入できるが、専門的な特許運営チームが必須であり、そうしなければ市場での生存空間が制限されるだろう」。王艶輝氏がこう語った。(李娜)
記事の掲載先:第一財経日報
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